「日本語教育の推進に関する法律」が令和元年6月28日に交付・施行されました。

この法律は、第一章から第四章までで構成されており、全二十八条からなります。
全文については、文化庁のホームページから参照することができますが、概要は以下の通りです。
日本語教育の推進に関する法律条文(文化庁)

第一条関係

[背景]
・我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に資する。
・我が国に対する諸外国の理解と関心を深める上で重要である。
[目的]
多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現・諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持発展に寄与。

第二条関係

[定義]
この法律において「日本語教育」とは、外国人等が日本語を習得するために行われる教育その他の活動(外国人等に対して行われる日本語の普及を図るための活動を含む。)をいう。

第三条関係

[基本理念]
①外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会の最大限の確保
②日本語教育の水準の維持向上
③外国人等に係る教育及び労働、出入国管理その他の関連施策等との有機的な連携
④国内における日本語教育が地域の活力の向上に寄与するものであるとの認識の下行われること
⑤海外における日本語教育を通じ、我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流等を促進
⑥日本語を学習する意義についての外国人等の理解と関心が深められるように配慮
⑦幼児期及び学齢期にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮

第四条~第九条関係

[国の債務等]
・国の責務
・地方公共団体の責務
・事業主の責務
・連携の強化
・法制上、財政上の措置等
・資料の作成及び公表

第十条、第十一条関係

[基本方針等]
・文部科学大臣及び外務大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求める。
・地方公共団体は、基本方針を参酌し、地方公共団体の基本的な方針を定めるよう努める。

第十二条―第二十六条関係

[基本的施策:国内における日本語教育の機会の拡充]
・外国人等である幼児、児童、生徒等に対する日本語教育
・外国人留学生等に対する日本語教育
・外国人等の被用者等に対する日本語教育
・難民に対する日本語教育
・地域における日本語教育
・日本語教育についての国民の理解と関心の増進

[基本的施策:海外における日本語教育の機会の拡充]
・海外における外国人等に対する日本語教育
・在留邦人の子等に対する日本語教育

[基本的施策:日本語教育の水準の維持向上等]
・日本語教育を行う機関における教育水準の維持向上
・日本語教育に従事する者の能力・資質の向上等
・教育課程の編成に係る指針の策定等
・日本語能力の適切な評価方法の開発

[基本的施策:日本語教育に関する調査研究等]
・日本語教育の実態、効果的な日本語教育の方法等に係る調査研究等
・外国人等のための日本語教育に関する情報の提供等

[基本的施策:地方公共団体の施策]
・地方公共団体は、国の施策を勘案し、地域の状況に応じた日本語教育の推進に必要な施策の実施に努める。

第二十七条・第二十八条関係

[日本語教育推進会議等]
・政府は、関係行政機関相互の調整を行うため、日本語教育推進会議を設ける。
・関係行政機関は、日本語教育推進関係者会議を設け、関係行政機関相互の調整を行うに際してその意見を聴く。
・地方公共団体に、地方公共団体の基本的な方針その他の日本語教育の推進に関する重要事項を調査審議させるため、合議制の機関を置くことができる。

附則第二条関係

[検討事項]
国は、以下の事項その他日本語教育機関に関する制度の整備について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
一 日本語教育を行う機関のうち当該制度の対象となる機関の類型及びその範囲
二 外国人留学生の在留資格に基づく活動状況の把握に対する協力に係る日本語教育機関の責務の在り方
三 日本語教育機関の教育水準の維持向上のための評価制度の在り方
四 日本語教育機関における日本語教育に対する支援の適否及びその在り方